子育てコラム(40)「与えられているもの」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2018年12月

b-Cafe店主カワムラです。

先日、児童養護施設の内部を見学する機会がありました。

児童養護施設というのは、何らかの理由で、
家族と暮らせない子どもたちが生活する社会福祉施設です。

漠然と家のようなところをイメージして尋ねてみたその場所は、
家とはかけ離れた、学校のような空間でした。
ステンレスの集合手洗い場があり、
無機質な廊下に沿って居室のドアが並んでいます。
食堂には会議室のような長テーブルが四角に並べられていて。

施設で過ごす子は可哀想だ、というわけではないのだけれど、
彼らの住まいは、ぼくらの住まいとは異質なものなのだ、
ということを目の当たりにして、少なからず衝撃を受けたのでした。

お家に帰ると家族がいて、くつろいでのんびりして、
食事して、TVを観たりして、温かいお風呂に入って、
お布団にくるまって眠る。
当たり前に繰り返しているそんな日常を、
望むべくもない子どもたちがいるということ。

(施設の造りや処遇は、より家庭的な生活を目指して、
順次改善されてきてはいます)

視野を広げると、近年の容赦無い天災に見舞われて、
当たり前の穏やかな暮らしが取り戻せずにいる人たちも
たくさんいます。
世界には、紛争地域のただ中で暮らしていて、
明日の命の安全すら保障されない人たちもたくさんいます。

ぼくらが当たり前に過ごしている暮らしを、
ショーウィンドウの中の夢のような生活だと、
羨望する人たちがたくさんいるんです。

足りないものを数える前に、
与えられているものに目を向けましょう。
自分のリアルばかりに夢中になるのではなく、
先の見えない逆境と今もたたかっている人が、
たくさんいるのだということを思い出しましょう。

自分を憐れむとき、想像力を欠いていたと恥じる自分でありたい。

そして(手はかかるけど!)元気でそばにいてくれる
わが子を抱き寄せて、頬ずりしましょう。

メリークリスマス。
愛といたわりを贈り合いましょう。