子育てコラム(42)「今を生きるだけじゃダメなのか」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2019年2月

 b-Cafe店主カワムラです。

 2月下旬ともなると、年度末が迫ってきて、
また子ども達の学年が上がるのかと思うと、
なんとなく気持ちがざわざわしてしまいます。

 ウチの中2の兄ちゃんは4月からなんと受験生。
と言っても本人にはまだまだ自覚がなくて、
親ばかりが勝手にヤキモキしています。

 何とかやる気スイッチを入れてくれるよう、
アドバイスの言葉を選ぶのですが、
考えているうちに、こちらの頭がこんがらがってきます。

 人生の先輩として、
コツコツと重ねた努力は必ず報われるのだよ、
今後を見すえて今すべきことをやろうよ、
と言いたいのですが、
一方では「将来のために」なんて言いたくない自分もいます。

 「将来のために」なんて言ってたら、
いつまで経ってもそのさらに将来が気になって、
その不安を埋めるために人生を費やしてしまうなんてもったいない。
けれども、ただ今だけの楽しみにふけって、明日のことすら考えない、
というのも違うと思う。人は努力して向上してゆくべきものだと思う。

 「しあわせ」は「いまここで」感じるもの。
つねに感性をみがいて、
移ろってゆく「いま」を慈しみながら、
日々をていねいに重ねてゆきたい。
それこそが生きるということなのだよ、
と伝えたい一方で、
のんびりしてる間があったら少しは勉強すればいいのに、とも思ってしまう。

 「今を生きる」ということと、
努力して向上してゆくことって、
両立できないのかなあ?と考えがぐるぐる回ってしまいます。

 はっきりと答えが出せないままなのですが、
ポイントは、自分の人生を大事に思っているかどうか、
そして、向かうべき目標や憧れを持っているか、
なのではないかと、うっすら思っています。

 たとえば、彼がバスケ部で練習をしているとき。
新しい技を身に付けたい、
動画で見たあのプレイを再現してみたいと思って、
繰り返し繰り返し身体を動かしているとき。
そういうときは、目標に向かって努力しながら、
そうしている今を楽しんでいるのではないかしら。
 自分の可能性を信じて、
わくわくしながら次のステップを目指している。

 そんな彼でいてもらえるために、親としてできることは?

 彼がかけがえのない大切な存在なのだと伝え続けること。
彼が彼なりの目標を定めることができるよう、
豊かな経験をさせてあげること、
考える時間を与えること。

 それから、彼が大人になることへの憧れを持てるよう、ぼくらが胸を張って日々を生きること。それくらいなのかなあ。
 結局は、毎日をちゃんと暮らそう、子どもに注文をつける前に親がしっかりやろう、ということなのかしらん。

 ・・・「いま」と「将来」に関する思案はまだしばらく続きそうです。
 モヤッとしたままというのも申し訳ないので、
お口直しに、谷川俊太郎さんの「生きる」という詩の一節を引用しておきます。

 生きているということ
 いま生きているということ
 鳥ははばたくということ
 海はとどろくということ
 かたつむりははうということ
 人は愛するということ

 あなたの手のぬくみいのちということ