子育てコラム(48)「きずなをむすぶ」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2019年9月

 b-Cafe店主カワムラです。

 先週の3日間、近隣の中学2年生たちが、職場体験学習として、b-Cafeに来ていました。毎年彼らの受け入れを楽しみにしています。

 自分の子どもが小さかった頃は、中学生なんて、大人に近いお姉さんお兄さんのように見えたのですが、上の子が彼らを追い抜いて中3になると、今度はカワイく見えてきて。

 ふだんは夫婦二人きりで店を回しているので、そんな子たちが来るともう、桃太郎を迎えたおじいさんおばあさんのような心持ちなのです。

 厨房からホールまで、一通りの業務を経験してもらいます。そうして最終日を迎える頃にはすっかり仕事を覚えて、お客さまを見ながら自発的に動いてくれる姿を見ると、その成長ぶりにちょっと涙ぐみそうになります。

 ほんの3日間の付き合いなのですが、その3日間に後には、彼らはぼくらにとって特別な子たちになって、店の前を通る中学生たちを見ると、彼らのことを思い出すし、さらには彼ら以外の中学生たちにも、何となく親しみを感じるようになります。

 これに似たエピソードが、「星の王子さま」にあったな、と思って、家にあった文庫本を読み返してみました。

 小さな星に一人で住んでいた王子さまが、地球に来て初めて出会ったのがキツネでした。

 王子さまが、一緒遊ぼう、と声を掛けると、キツネは、おいらはきみになつけられていないから、一緒に遊べない、と言います。

 「なつける」ということの意味を王子さまが尋ねると、「きずなをむすぶ」ということだ、とキツネが教えてくれます。

「おいらにしてみりゃ、きみはほかのおとこの子10万人と、なんのかわりもない。きみがいなきゃダメだってこともない。きみだって、おいらがいなきゃダメだってことも、たぶんない。きみにしてみりゃ、おいらはほかのキツネ10万匹と、なんのかわりもないから。でも、きみがおいらをなつけたら、おいらたちはお互い、あいてにいてほしい、って思うようになる。きみは、おいらにとって、世界でひとりだけになる。おいらも、きみにとって、世界で1匹だけになる・・・」

 そうして王子さまときつねは友だちになり、お別れのときに、

「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。」

ということを教えてくれたのでした。

 深く時間を共有することできずなが生まれます。

  きずなを結ぶことによって世界が違って見えてくるし、そのことが、ぼくらの気持ちを温かくしてくれます。

 こんなことを考えていると、いちばん近くにいてくれる家族たちとのきずなを、ちゃんと大事にできているかな?ということにも思い至ります。

 もうじき、はだ寒い季節がやってきます。 忙しい毎日だけれど、時には手をとめて、子どもたちやパートナーさんとのおしゃべりを大切にするひとときを大切にしましょう。