子育てコラム(70)「しあわせは歩いてこない」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2021年11月

  b-Cafe店主カワムラです。

  自宅から店まで、7Kmほどを、毎朝自転車で通勤しています。

 自転車だと、季節の移ろいを肌で感じることができるし、寄り道も 簡単にできるので、ちょとした「癒しタイム」にもなっています。

 自転車だと細い道も通れるので、くねくねと抜け道を縫って、最短 ルートで店に向かいます。

 先日、そんな通勤路の途中、路地の先に、小さなもみじの木が立っ ていて、紅く色づいた葉の全体が、ハートのかたちになっているのを見 つけました。

 古びた家並みの中にあって、向こうから差す日差しを透かして、輝くようようなハートが、宙に浮かんでいるように見えて、おおっ!と思いました。

 そして「ははん、これは、神さまが『愛してるよ〜』って言ってく れてるんだな」なんて考えて、笑みを浮かべながらそこを通り過ぎました。

 きらきらのハートは、昨日も今朝も、ぼくを迎えて、気持ちをあた ためてくれました。

 いまの季節だと、そこここで見かける色づいたもみじなのですが、 ぼくが「ハートやん」と気づいたときから、それはぼくにとって、特別なもみじになったわけです。

そう思わない人もいるだろうし、もしかしたら、毎日そこを通っていながら、そこに、もみじがあることにすら気づいていない人もいるのかもしれません。

 人々は、ひとつの世界に暮らしているようだけれど、実はそんなふ うに、それぞれの見方で、それぞれに違った世界を見て、感じている のだと思います。

 たとえ、そこに在ったとしても、それを見なければ、その人にとっ てはそれは在ることにならない。何を見るか見ないか、自分で選ぶことができる、ということでもあります。

 ぼくは「しあわせ」というのは、日々の暮らしのスキマにひそんで いるのだと思っています。そしてそれは、注意深く探さないと、見落としてしまいます。

 古い歌謡曲に「しあわせは歩いてこない だから歩いていくんだね」という歌詞がありますが、ほんとにそうだと思います。

 ときにはタナボタもあるかもしれないけれど、ほとんどの場合、し あわせが向こうから飛び込んでくることはない。

 だから、ただ視界に入って来て通り過ぎてゆく世界を呆然と見ている のではなく、前のめりで「見に行く」ような姿勢が大切だと思うんです。

 そんな生き方のお手本を、子どもが示してくれます。

 ちょっとした違い、不思議を見逃さず、追いかけてゆく。軽快なフ ットワークで動き回って、さまざまな角度から、ものごとを見る。そんな彼らは、毎日「新しい今日」を生きているように見えます。

「いつもの同じ」「そんなの知ってる」なんて思わずに、子どもの ように世界と向き合うことを、忘れたくない、と思います。

 「愛」だってそう。

  そこここにひそんでいるんだけれど、向こうからやってくるもので はない。
 「愛」が欲しければ、こちらから愛することを始めるのが良いのでしょう、たぶん。

 こっちも古いけど「愛されるより 愛したいマジで」ってイケメンふたりが歌ってたしね。