店主カワムラは大阪の下町出身なのですが、小学生の頃はまだまだ昔ながらの駄菓子屋がいっぱいありました。
よっちゃんいか、ラムネ、ダブルサイダー、当てもん(くじびき)のカレーせんべいや黒糖パン、糸引きアメ、生ぬるいヨーグルト、量り売りのげんこつあめ・・。
そんな中で、駄菓子よりはぐっと食事寄りで、数ランク高級感があったのが「たこせん」でした。小判型の大きなせんべいを二つに割ってソースやマヨネーズを塗り、たこ焼きをサンドしたもの。
たこ焼きの数によって値段が変わり、一番安いのがたこ焼きなしの、ソースせんべいでした。チョーぜいたくな「デラックス」は、割らずにまるままのせんべい二枚に、たこ焼きを5つ6つはさんでいたような。
でも、そんなスペシャルなのにはとても手が届かず、せいぜい二つ三つまでだったような。
たこせんって、ぼくにとっては、そんな幼少期の思い出が詰まったスペシャルな食べものなんです。
それで、ウチの子どもたちも味わわせてあげたいと思うのだけど、あのせんべいがなかなか売っていない。たまに見つけると、喜々として買い込んでいたのだけれど、継続的に仕入れることができない。
ところがごく最近になって、あのせんべいが、店で取引している食材店で扱いのあることを知ったのです。いやはや、うれしかった。
もちろん迷わず買って帰り、早速試作したのち、お店のおやつに加えた、という次第であります。
どうぞご賞味くださいませ。