子育てコラム(81)「ロボコン!」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2022年10月

 b-Cafe店主カワムラです。

 先日、中二の次男とふたりで、名張にある近大高専に出向いて「小中学生ロボットコンテスト」に参加してきました。

 出されたミッションをクリアするロボットを、ルールの範囲内で製作し、対戦形式で成績を競う、というものです。12月に全国大会があるのですが、今回はその三重予選でした。

 次男が小学1年生だった時、5年生の長男とぼくの3人で、伊勢で開催された「ヘボコン」に参加したことがありました。「ヘボコン」というのは「技術力の低い人のためのロボット相撲大会」で、ヘボいロボットを持ち寄って戦わせ、そのヘボさを楽しむ、というものです。

 そのときは、ぼくが作ったロボットを息子たちが操縦するという形で出場したのですが、次男には、その時の体験がとても印象的だったようで、その後しばしば「またヘボコンないかなあ」とか、「ロボット作りたいわ」と言ったり、スケッチブックに設計図を書いたりしていました。

 6年生になった時には、同じクラスの友達と意気投合して、休みの日に怪しいヘナチョコロボットを作っていました。

 彼が中学校に上がってから、「小中学生ロボコン」の募集記事を目にした時「これはまさにウチの子のためのイベントではないか!」と思って、コレどうよ、と本人に見せたところ、即座に「やる」と返事をくれて、初参加が決まったのでした。

 参加してみると、ロボット作りが思ったより大変で、要救助者に見立てたペットボトルを拾い上げて、段差を超えてゴールまで運ぶ、という「山岳救助隊」のミッションがなかなかクリアできず、大会前夜は明け方まで作業をしていました。

 去年のでもう懲りてしまったかな、と思っていたのですが、今年はどうする?と尋ねたら、次男は迷うことなく「出る」と言いました。大変だったけど、楽しさの方がまさったようです。

 夏休み中からロボット作りを始めました。

 最初は、もう2回目だし、彼が参加するコンテストなんだから、彼の自主性に任せよう、と思っていたのですが、今年は去年以上にミッションが難しく、なかなかはかどらないようなので、親子チームで一緒に製作を進めることにしました。

 今年は、フィールドにばらまかれたペットボトルを回収して、壁に様々な高さで空けられたホールに挿し込んで、本数を競う、というものでした。

 ロボットには縦横高さが50センチ以内、という寸法制限があるのに、ホールは、高いところでは80センチ。その高さまで、どうやってペットボトルを持ち上げるか、というのが難問です。

 そしてホールに挿し込むという、動きの精密さも求められます。リモコンで使えるチャンネル数が決まっているので、それらをどの機能に振り分けるのか、という工夫も必要です。

 前後左右の移動はさほど難しくないのですが、どうやって、ペットボトルを拾い上げて、必要な高さまで運ぶか。そしてどうやってホールに入れるか。

 高所作業車やクレーン車などを参考にしながら、ひとつひとつの仕組みについて検討し、スケッチを作り、試作を繰り返して形にしていきました。

 ばくぜんとした雲のようなイメージを、少しずつ具体的にしてゆく作業です。

 各パートの機構が出来上がったら、それらを組み立てるのですが、その際も、部品どうしが干渉して動きが制限されたり、重すぎて動かなかったりするので、その都度、調整や改良が必要です。

 一通り組み上がったら、テスト運転をするのですが、そこでもどんどん問題が見つかります。一日中作業をして、いい具合にできたかな、と思ったら、大幅にサイズオーバーしていることに気づき、仕様変更、ということもありました。

 仕上げは、競技当日に、リモコンの線が絡まったり外れたりしないように、きれいに配線したり、接点をはんだ付けする作業。これは、お料理の盛り付けのような楽しい作業です。

 ここまで、平日はなかなか時間が取れないので、週末ごとに集中して続けてきた作業でしたが、今年は、昨年よりは余裕を持ってたどり着くことができました。

 ぼくが先に立って引っ張ってしまった感もあるのですが、次男は、プロジェクトを仕上げるという流れをしっかり経験してくれたのではないかと思っています。

 スケジュールを決めて、必要な作業をピックアップして、それらを統合してひとつのモノに仕上げる。それを動かしてみて、当然出てくる問題点を拾い出して、クリアして、使えるモノにしてゆく、というような。

 こういうプロセスの組み立ては、のちのち、生活でも仕事でも、必要だと思うんです。

 大会当日は、近大高専の学祭も行われていたので、早めに出かけて、各学部やクラブの催しを楽しんだ後、午後から試合に臨みました。

 何度かトライする中で、マシンが突然うまく動かなくなったこともあったのですが、あたふたしながらも、原因を突き止めて修復することができました。父としては、F1のピットで大急ぎで作業するクルーの気分です。

 ミッションの難度と、マシンの未熟さが相まって、なかなかクリアすることができなかったのですが、さいごのさいごになんとか、ボトルをホールに収めることができた時には、拍手をもらえました。

 次男もだいぶプレッシャーを感じていたようで、競技終了後、ほっと大きなため息をついていました。

 今年のロボコン、大変だろうなと思っていたらやはり大変だったのですが、それ以上に、父子チームで過ごせた楽しい時間でした。

 12月に開催される全国大会にも参加することになったので、チームはもう少し続きそうです。