子育てコラム(36)「子育ての根っこ」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2018年8月

b-Cafe店主カワムラです。

初夏からの容赦ない異常な猛暑もようやく落ち着いてきて、ここ数日は秋の風を感じる日もあります。夏のダメージを受けた身体をしっかり労りつつ、季節の変わり目を迎えましょうね。

さて夏休みも終盤を迎えました。
子どもが就学して以来、夏休み毎に頭を悩ませるのが宿題のこと。
と言っても、悩んでいるのは親ばかりで、ママ友パパ友に会うと必ず宿題の話題になってしまうのだけれど、当の子どもたちはたいがい、気に掛けてもいないんですよねえ。

下の子4年生にはまだ多少つき合ってあげてもいいと思うけれど、兄ちゃん中2には、もういい加減自分で計画をを立てて取り組んでほしい。そしてできれば、夏期講習に行っていない分、余暇を使って、基礎学力を上げるための日々の学習にも取り組んでほしい。

けれど、夏休み終盤に差し掛かったというのに、宿題のワークはびっくりするくらいたくさん残っているし、「大モノ」の読書感想文だとかポスターとかも手つかず。日々の学習は夏休みに入って以来やった形跡がない。
毎度のことではあるのだけれど、そんな状況にヤキモキしたり、腹を立てたりするのに、いい加減あきあきというか、くたびれていて、何とかこのくり返しからオサラバしたいと思っているわけです。

ぼくが学んでいるアドラー心理学に「課題の分離」という手法があります。
親子の場合、「親の課題」と「子どもの課題」を切り分けて、状況を整理するのに用います。

夏休みの宿題をするのは全くもって子どもの課題です。宿題をするしないは子どもが判断すればいいことだし、その結果は子どもに降りかかります。

子どもにお任せしておいて、親は、子どもに協力を求められたら応じられるようにスタンバイしておけばいい。

そんな風にシンプルに割り切れたら楽なのですが、家族として一緒に暮らしていて、間近で子どもを見ていると、なかなかそういうわけにもいきません。

時間はたっぷりあるのに、なぜそれを有効に使わないのか。
そうとう切羽詰まっているはずなのに、なんでそんなにのんびりしてるの?
なんでこんな状況でゲームしてるの? ・・・なんてムラムラと思いがわいて、涼しげに見守っている、なんてとてもできない。

それでつい、声を荒げてしまったり、冷静に言葉がけするつもりが皮肉っぽくなってしまったりして、親子関係がこじれてしまう。

「子どもに任せる」と言っても、関心を払わずに放っておくということではないと思うんです。人生の先輩として、経験してきたことを子どもに伝えたり、アドバイスするのは親の大切なつとめだと思います。

けれどなぜそれで親子関係をこじらせてしまうのかを考えると、伝え方と、こちらのかまえに問題があるのでは?と思い当たります。

さらりと伝えればいいのに、叱ったり脅すような言い方になってしまう。
これは親の「こうなって欲しい」という思いが強すぎるからではないかしら?
もちろんそれは子どものためを思ってのことなのですが、「この子のため」というのが、ハマりやすいワナなんです。ついそれを盾にして、自分を正当化してしまう。

冷静に分析してみたら、「親の思い」のつもりが、実は親の理想とか不安、コンプレックスだとか根拠のない思い込みを押しつけようとしていることって、多々あると思うんです。

そもそもの根っこのところに立ち戻って考えると、ぼくら親が子どもに伝えたいことって何だろう?子どもに、生きる指針としてもらいたいことはなんだろう?

「何とかして勝ち組に加わらなければお先まっ暗だぜ」ということ?
「どんな風にしたって生きていけるんだぜ」ということ?

そう考えると、ぼくは圧倒的に後者を選びます。そのことだけを伝えられたらいい、と思えるくらいに。

どんな風にしたって生きていけるし、君がどうであろうと、君は尊い。君がどうなろうと、お父さんやお母さんは君の味方だ、ということを伝えて、子どもに安心感を与えてあげたい。

そのことを、ときどきすてきなドラマを観たり、エエ話を聞いて思い出すのではなく、子どもとの暮らしの根っこにしっかり据えておかなきゃ、って思います。

とはいえ、きっぱり割り切って、子どものことは子どもにおまかせして、どんと構えて見守る、というほど覚悟が据わってもいないというのが現状であります。

まだしばらくは、モヤモヤを抱えながら行きつ戻りつしてゆくのだろうなあと思うのですが、それもまた、親として育ってゆくプロセスなのかなと、自分を慰めております。