子育てコラム(24)「ホタルに教わる」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2017年6月

b-Cafe店主カワムラです。

先日、三年生の下の子と二人でホタルを見に行ってきました。
美里町に住む知り合いが、家の近くの川辺にいるよ、
と教えてくれたので夕方から出かけてきました。

ナビを頼りに、
日が落ちた暗い道を辿って現地に到着し、
車を停めて降りたものの、
どこがそのスポットなのかわからない。ラ

イトを忘れて足元もおぼつかないまま
水音のする方に歩いてゆくと、
ふと、ついーっと目の前をうす青い光が。

目で追うと、すぐ近くの茂みにとまったので、
子どもがそっと近づいたら、
逃げることもなく、
彼が包み込んだ手のひらの中に収まりました。

手を開いてみると、
小さな虫の尾っぽの先が光って、
呼吸するみたいに明滅しています。

暗い空に手を差し出すと、
ゆらりと飛んでゆきました。

目が慣れてくると、
そこここにちらりふわりと光が。

川沿いの道を歩くと、
すぐ近くを横切ったり、
川の上で群れて舞っていたり。

雲が晴れると明るい満月が照らして、
砂利道にぼくらの影がくっきりと落ちます。

思ったより涼しい晩だったので、
子どもと手をつないで、
しばらく歩いて引き返してきました。

夢を見ているような夜の散歩でした。
川のせせらぎ、
虫の声、
涼しい風、
梅雨を迎える頃の湿気を含んだ空気、
草の匂い、
砂利を踏む足音、
闇に灯っては消える小さな光たち。

今この場で感じないかぎり、
文字に書いても、
写真や動画に撮っても、
この情景をそのまま誰かに伝えることは
できないのだろうな、
と思いました。

そして、
こんな特別な状況でなくても、
何げない毎日の、
その時どきのシーンは
その時にしか経験できない。

それぞれの人生を、
ただひとりの当事者として、
しっかりと経験して感じる。人

生に意味があるとしたら、
そのあたりなのではないかなあ。

たましいが命を繰りかえすのだとすれば、
それはさまざまな人生を
「実際に」味わい、
経験を重ねてゆくためなのではないかしら。

そう考えると、
不平を並べたり、
人の人生をうらやんでいたりしていたら、
もったいない。

そんなヒマがあるなら、
与えられた「いま」をしっかり生きゃ、
なんて、飛び交うホタルたちを眺めながら
考えたのでした。

Don’t worry. Be happy. Feel your Life.