子育てコラム(33)「家族のゆくすえ」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2018年4月

b-Cafe店主カワムラです。

 新年度が始まり、
まだ落ち着かない方も多いのでしょうね。

 そのせいもあってか例年b-Cafeも
この時期は比較的静かな日が多くなります。
疲れが溜まってしまったママたち、
ぜひひと息つきにいらっしゃってくださいね。

 さて。先日、重松清さんの
「ファミレス」という本を読みました。

 ぼくが読んだ限りでは、
重松氏の描く物語は、
中学生を中心に据えたものが多かったのですが、
今回の主人公は49歳の中学教師。

彼を取り巻く人たちも同世代の
アラウンド50の人たちで、
ぼく自身ともばっちり重なる年代です。

 重いテーマを扱うことが多い重松氏にしては、
やたらに軽妙な文体で、
今回はコメディなのかな、
と思いながら読み進めていくと、
50前後のオッサンたちの悲喜こもごもが
我が事のように思えてきて、
ドキドキしながらページを繰りました。

 主人公の娘は前年に大学を卒業して
家を出て働き始め、
下の弟も地方の大学に入学を決めて
下宿することになりました。

 そうなると、夫婦ふたりの生活が始まり、
さてこれからどうやって暮らそうか、
と思っている矢先に、
妻の本棚の本に挟まった離婚届を見つけてしまい、
何じゃこらぁ?と動転して、、
というのが物語の冒頭です。

 ベイビーと向き合っているママパパたちには
まだ少し先の事のように感じられるかもしれませんが、
上の子が中2になったぼくには、
とてもリアルに感じられました。

 頭では分かっているつもりだけれど、
家族って、やがてこうやって
解体していくものなのだなあ、
ということを改めて考えて、
きゅんとなりました。

 子どもが育ち、
やがて巣立ってゆくというのは当然のことだし、
喜ばしいことでもあるのだけれど、
その日が次第に迫って来ているのだと
いうことを実感するとやっぱり寂しい。

 そんな折、連れ合いがある晩、
何やら大きな声でわいわい言っているので、
何かと思ったら、
兄ちゃんに背を追い抜かれていることに
気付いたのだそうです。

 柱に線を引いて比べたら、
2センチくらい、兄ちゃんの方が
高くなっていたようです。
このペースだと、ぼくも充分射程内で、
中学を出るまでには抜かれてしまうのかも。
ああ、軽々と抱っこしていたあの子が、、、なんて。

 小学生、中学生の息子たちとの日々も、
もちろん楽しいのですが、
お客さまの小さな子たちを見ると、
いいなあ、とうらやましく思うのも正直なところ。

そして、
子どもたちがもっともっと大きくなったら、
彼らが「子ども」だったころを
懐かしく思い出すのでしょうね。

 そんなことを考えながら、
悔いを残さないよう、
今の彼らとの日々を、
ていねいに、大切に過さなきゃな、
という気持ちを新たにしたのでした。