子育てコラム(47)「あんがい生きていける」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2019年8月

 b-Cafe店主カワムラです。

  夏休みもようやく終盤ですが、ママたち、パパたち、お元気ですか?

 先日、大阪に帰省して、高校の同窓会に出席してきました。 学年全体で集まるのは、卒業以来なんと30数年ぶり。
 みんな50歳を迎えるという節目の年でもありました。

 たまたまFacebook上で再会した数人の内で話が盛り上がり、よりユーザの多いLINEでグループを作って、連絡の取れる友人をどんどん呼び込むという方法でメンバー増やし、最終的には学年全体の6割くらいが出席するという盛大な会となりました。

 会場に足を運んだら、もう会うことはないかと思っていた旧友たちが溢れていて、「うわ〜○○やん!」という歓声や悲鳴がそこら中で上がっていました。 午後いっぱいを懐かしい仲間とさんざんおしゃべりして過ごし、温かくうきうきした気持ちで帰途につきました。

 電車に揺られながら、それにしても、みんなよくここまで生きてきたなあ、ということを考えました。

 のんびりとして楽しい高校だったのだけど、その分勉強の方もだいぶのんびりで、ぼくなんか、現役ではどこにも引っ掛からず、浪人して、ここで何とかしなきゃもう先がない、とビビリながら必死に予備校に通って、何とか大学に入ったんです。

 それで、ぼくは何とかなったけど、他のヤツらはどうなったんだろう、と考えることがありました。

 でも、再会してみると、みんなそれぞれの人生を歩んで、ちゃんと今まで生きて来てるんです。ぼくだって、大学に入れたからもうオーケーなんてことはぜんぜんなくて、わりとハチャメチャでここまで来た気がするし。

 人って、案外どうにでも生きてゆけるものなんだなあ、ってしみじみ感じたんです。 いく度となく、「もうダメかもしれない」と思い詰めていた頃の自分に、「大丈夫だぜ」って声をかけてあげたい。

 ウチの兄ちゃん、中三受験生のはずなのに、なんだかのんびり夏休みを過ごしているけれど、親の思いで「そんなことしてると、取り返しがつかなくなるよ」なんて脅すのではなく、むしろ大人として、「高校なんて、どこに行ったって、どうにでも生きていけるさ」と言ってあげるべきなんだろうなあ。

 人生の不幸の内わけには、実際の困難な状況も含まれているとは思うけれど、大方は、根拠のない不安だったり、ないものねだりから来る不満が詰まってるのではないか、って思うんです。

 だからね、「大丈夫、どうにでも生きて行けるさ」という気持ちがあれば、心強いお守りになる。数知れない人生の先輩たちが、そうやって生き抜いて来たのだと思う。

  *

 もうひとつ、同窓会で友人たちと再会して実感したのは、ただそこにいてくれるだけでうれしい、ということ。
 高校時代、みんな仲良し、というわけではなかったはずだけど、こうして数十年越しに再会すると、懐かしい顔がそこにあるだけで、うれしいし、愛しい。

 一緒に過ごしているとすぐに忘れてしまうけれど、生活の中ですれ違う人はみんな、実は自分の人生の一部になっているんですね。

 そのことを忘れずに、自分の傍にいてくれる人たちに感謝しよう、ということを改めて思い出せてくれました。

 *

 ちょっとしみじみし過ぎかもしれないけれど、生きてゆく、っていいもんだなあ、と感じさせてくれた同窓会でした。

 とはいえ、まだやっと半分くらい来たところで、まだまだ先の見えない道が続きます。
 でも、なんとかなるわさ、という希望と、自分の居場所を作ってくれている人たちへの感謝があれば、きっと大丈夫。

 そして、子ども達には、そうやって生きている大人の背中を見せてあげよう。