子育てコラム(71)「子どもとの勝負って」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2021年12月

b-Cafe店主カワムラです。

 ウチの子が小さかった頃に使っていた、プラレールの電車を店に持ってきたら、やはり男子を中心に大人気です。お会計が済んだあとも、新幹線を両手に持って、おうちにもってかえる!と言って離そうとしない子も。

 それで、ママに説得されて片付けたり、取り上げられて、泣きながら帰ったり(←だいたいこっちです)。

 もう帰るよ、と言われて「まだあそびたい〜」と泣いて、ママに抱えられて帰る子もいっぱいいます。

 そんななので「すみません~」と恐縮するママたち、どうぞご安心ください、そんな子、ナンボでもいますので😊

 ここでぜひお伝えしたいのは、そんな子たちは、けっして「悪い子」ではない、ということです。

 気に入ったおもちゃをずっと持っていたいとか、楽しいからもっと遊んでいたい、と思うのは当然のことだし、そのことをしっかり主張できるのはすばらしいことです。

 ただ、その主張を通されるとママは困ってしまう。つまり、困っているのはママで、困らせる子どもが悪い、というわけではないんです。

 だから、悪い子をとがめる、というのではなく、そのご要望は、ママには都合が悪くて困ってしまうから、協力してもらえないだろうか、というくらいのスタンスでお子さんに向き合えば、熱くならずに済む気がします。

 とはいえ、ママの都合だって大切で、夕方の家事も待っているし、お兄ちゃんやお姉ちゃんのお迎え時間もあるしで、譲れないこともたくさんあると思います。

 そんなときは「申し訳ないけど、リクエストに応じることができません」と、お子さんを抱えて帰るのも、最終手段としては、ぜんぜんありだと思います。

 ただ、いきなり最終手段まで行ってしまうのではなく、お互いが譲り合えるラインを探るのも、大切だと思います。余裕があれば、ですが。

 じゃあ、時計の針がここまで遊んだら帰れる?とか、この電車、こんどまだ使えるように、ここに飾っておこうね、とか。

 ・・って書いていて、あんまり成功率が高そうじゃないなあ、と思ってしまうのですが、それでもいいと思います。

 ダメ元とは思いながらも、子どもの目線に立ってコミュニケーションを取ろうとすることによって、子どもは「ママはぼくを理解しようとしてくれている」ということを感じ取ってくれるはず。

 「もう、アンタって子はいつもいつも!」ってぶちキレるよりずっといいと思います。

 こんな状況に向き合うためのヒントとして「この子は、このことから何を学ぶだろうか」「この子がどんなふうに育っていってほしいんだろうか」という視点を持つことをお勧めします。

 子どもは大人の言動をモデルにして、自分をかたちづくってゆきます。

 大人がキレて、力づくで言うことを聞かせていれば、子どもは、問題を解決するためには、力を行使すればいいのだ、と思うようになるでしょう。

 逆に、冷静に話し合いを持つことができれば、粘り強くコミュニケーションを取ることを学んでくれるのではないでしょうか。

 また、長い視点で見たとき「自己主張できる」ということはとても大切なことです。「何だってママの言う通りにしてたら大丈夫」って思うより、自分が望むことを主張できる子、自分で選択できる子になってほしいと思いませんか?

 もちろん、社会に出たら、相手の都合を考えたり、状況に応じて柔軟に対応できることも大切です。けれど、そんなスキルを身につけるのは、もう少し後になってからで良いのではないかと思います。

 少なくとも、「自分の主張を通すことのは悪いことだ」とは思って欲しくないんです。どんどん主張すればいいと思います。そして、その主張が通らないこともある、という経験も、大切な学びにつながると思います。

 とはいえ、いつだってひとつの答えがあるわけではありません。

 ひと山越えたかと思ったら、子どもはまた、こうくるか!というような難題をさらに突きつけてくるのでしょう。

 たいへんだとは思うのですが、どうぞお気楽に。

 3~4才くらいまでの子どもと付き合うのって、大人の忍耐力トレーニング、そして子どもとの知恵比べだと思うんです。

 今子どもに対して「こうあるべき!」って思っていることが、後になったら「あんなにこだわらなくてもよかったのになあ」と思えることが、たくさんあります。

 子どもとの勝負は、2勝8敗くらいでじゅうぶんだと思います。

 お気楽に、お気楽に。