子育てコラム(118)「思い出す」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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 b-Cafe店主カワムラです。

 ぐっと冷えてきましたね。つい先月までは、天気予報で「夏日になるところもあるでしょう」なんて言っていたのに、昨日は、自転車に乗ると手が冷たくて、そろそろ手袋が欲しいくらいでした。

 長い夏のあいだは、暑いのはもうじゅうぶんだよう、早く涼しくなってくれよう、と願っていたのですが、冷えてくると、この寒さヤバいわー、と、暖かだった頃をうらやましく思ってしまう。

 日も短くなって、うわっ、5時半なのにもう真っ暗じゃん、とあわてたり。

 物心ついた頃からもう50数回、四季を巡ってきたのに、毎年、夏の暑さ、冬の寒さを、初めてのように味わって、喜んだりうんざりしたりしている気がします。季節が過ぎれば、その頃のことをすぐに忘れてしまう。

 人って、つくづく忘れん坊だなあ、と思います(ぼくだけ?)。でも、「忘れる」というのはたぶん、人の機能のひとつなのではないかと思うんです。

 長い人生、何もかもはっきりを覚えていて、それが蓄積され続ける、というのでは、たぶんだいぶしんどい。

 生きていると、つらいことにもたくさんぶつかるので、そのつらさをいちいち覚えていたら、そのうち怖くて前に進めなくなる気がします。だから、時間が経てばさらっと、忘れていくようにできているのだと思います。

 ぼくらは生まれ変わって何度も人生を生きていると言うけれど、前世のことなんて何も覚えていない、というのもたぶん、忘れるということに意味があるからなのでしょう。

 だから、忘れてしまうのは仕方のないことなのですが、忘れがちなことを踏まえたうえで、大切なことを、意識的に思い出す作業も必要なのではないかと思います。

 b-Cafeは今月末で17周年を迎えます。もっともっと長くやっている先輩もたくさんいらっしゃるのですが、それでもよく続いているなあ、とぼく自身が感心しています。

 もちろん、ご利用いただいているお客様あってのことだし、家族や、支えてくれている方々の力添えのおかげなのですが、b-Cafeが、ただひとつのことをやってきた、というのも大事な要素だと思っています。

 b-Cafeを始める数年前、第一子が生まれました。大喜びして我が子を迎え、子育ての日々をスタートしたのですが、そこで、楽しさと同時に大変さもつくづく実感しました。こんなの、ずっとはしんどすぎる。助けがないとやってられない。煮詰まりすぎたら、虐待だってぜんぜん人ごとじゃない、って。

 そんなママたちパパたちが、ひと息ついて、子どものかわいさ、子育ての楽しさを思い出してもらえるような場を作りたい。それを、保育士として学んできたことと、憧れていた「おもてなし」の仕事をくっつけて、かたちにしてみたのがb-Cafeです。

 ほんの思いつきのチャレンジがまだ続いているのは、不思議な気もするのですが、そんな「最初の思い」があってこそなのかな、と思っています。

 迷うことがあれば、その最初の思いを思い出して、思い描いた夢の場所に立てているんだ、ということを思い出して。

 人は、それぞれの歩みで、前へ前へと歩き続けるのですが、迷わずに歩き続けるためには、そんな「最初の思い」が大切なのではないか、と思います。

 道を見失いそうになったら、それを思い出して、どこへゆくのかを、あらためて見さだめて。

 価値観が多様になりすぎて、かえって生きにくくなったような世の中ではあるけれど、それでも自分なりの真実を探して、そこに向かうことができれば、迷いの中にも光が射すのだと思います。

 子育てもそう。迷子になったら、最初の思いに立ち返る。

 赤ちゃんが来た!

 こんなにちっちゃすぎるのに生きてる。うごいてる。

 こんなにちっこいのに、おっきな声でめいっぱい泣いてる。

 心細くなるくらいの軽さの我が子を抱いて、ほとんどの親はその子の幸せを願うと思うんです。この子が笑っていればいい、って。

 くりかえしくりかえし思い出して、それでも迷って、また思い出して。

 そんなふうでいいと思います。