子育てコラム(104)「『お互いさま』を鍛える」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2024年9月

 b-Cafe店主カワムラです。

 先日の晩、高一の次男が、いつもの時間を過ぎても学校から帰ってこないことがありました。

 次男は1時間半近くかけて、名張の学校に通っています。電車の本数が限られているので、帰りの時間も決まってきます。その時間に合わせて夕食の支度をしています。

 ところがその日は、予定していた時刻を過ぎても、玄関に物音がしません。遅くなる場合はたいがい連絡をくれるのに、それもありません。

 30分くらい過ぎて、いい加減心配になった頃にようやく、「自転車の鍵をなくしたから、迎えに来て」というメッセージが入りました。慌てて迎えに行こうとしていたら、「鍵、見つかった」とさらに連絡が。

 そんなこんなでいつもより1時間近く遅く帰ってきた次男に話を聞いたら、駅前の駐輪場で、鍵がないことに気づいて、迎えを頼もうかと思ったら、携帯のバッテリーが切れていたとのこと。モバイルバッテリーも、今日に限って家に置いてきたらしい。

 駅構内には公衆電話もなく、考えた末、駅前のロータリーに停車中の車の中の方に声をかけて、携帯を充電させてもらい、ようやく連絡が取れたそうです。

 ひょろ長い男子にいきなり窓をノックされて、「iPhone充電するものありますか?」なんて言われてびっくりしながらも、応じてくれた方に感謝するとともに、次男が自分で判断してそういう行動が取れたことを嬉しく思いました。

 ぼくら親は、何もできない赤ん坊のお世話をしながら、その子が大きくなるにつれ、自分できることは自分でさせようとします。子どものためを思って、「自分でできるでしょ」と声をかけることもあると思います。

 けれど同時に、「困ったときは人に頼ってもいいんだよ」ということも伝えたい。

 生後間もない頃から脳性麻痺を持つ、小児科医の熊谷晋一郎氏が、インタビューで、次のようにおっしゃっています。

 「『自立』とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。『依存先を増やしていくこと』こそが、自立なのです。これは障害の有無にかかわらず、すべての人に通じる普遍的なことだと、私は思います。」

 「自分でできる」ことはもちろん大切です。けれど同時に、自分でできないことは人に助けを求めることができる、ということも大切だと思うんです。

 

 「自分でできることは自分でやりながら、必要なときは助けを求められる子」に育てるためには、どうすればいいのでしょう。

 助けを求めるためには、人との関わりの中に入ってゆける勇気が必要です。そのために、「人々は仲間だ」という感覚を育んでいってあげたい。手始めとして、「ママやパパは仲間だ」と感じて欲しい。

 生活の中で、頼ったり頼られたりという経験を通じて、そういうのでいいし、そういうのが嬉しい、という感覚を味わって欲しい。

 併せて、自分にできることを知っていて、その力を、仲間たちと助け合うために、ためらいなく使える人であってほしい。

 

 「なかま」と「できる」。

 それらは、親がちょっと意識を持つことによって、日々の暮らしの中で、楽しく積み重ねてゆけることだと思います。

 

 何でもできるスキのない人は、確かにかっこいいけれど、それより、甘え上手な人の方が、生きてゆきやすい気がします。

 「人さまに迷惑をかけない」ということより「お互いさま」という気持ちが行き渡っている世の中を、子どもたちと一緒に作っていこうぜ。