子育てコラム(107)「生きる苦しみについて」

☆店主カワムラの子育てコラム☆

毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。

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2024年12月

 b-Cafe店主カワムラです。

 あっという間に年の瀬ですね。

 子どもたちはクリスマスムードにウキウキなのでしょうか。

 そこにきて「生きる苦しみ」て。

 オイオイ、何を言い出すね~ん、と言われそうですが、子どもたちがまだ小さかった頃の、あるクリスマスイブの夜のことを思い出したのでした。

 その年、12月に入って間もないころ、生き物好きの次男のリクエストで、ミドリガメを飼い始めました。500円玉の大きさくらいしかない子亀でした。

 冬眠させるにはまだ小さすぎるので、ヒーターを入れて、少しずつエサをあげて、世話をしていました。

 けれど、環境が合わなかったのか、それとも元々弱い個体だったのか、だんだんと元気がなくなってきました。

 そして、クリスマスイブの夜、とうとう動かなくなってしまったのでした。

 テーブルには、お祝いのごちそうが並んでいます。食事の後に渡すプレゼントも用意されていて、子どもも大人もごきげんです。

 けれどその隣の部屋の片隅で、小さな生き物の命が消えようとしている。

 ほんの小さなペットなのですが、浮かれ気分とのあまりの落差に、痛みを伴う印象が深く残りました。

 以来、クリスマスというと、キラキラした楽しい大騒ぎの影で、笑うこともできず、悲しみや苦しみの只中にいる人もたくさんいるのだろう、ということを思うようになりました。 

 ぼくは、生きてゆく中で、人はたくさんの苦しみに出会うものだ、と思っています。それが当然のことだと思っています。

 中島みゆきさんなんか、「あした」という曲の中で、

「何もかも愛を追い越してく 土砂降りの一車線の人生」

なんて歌っています。

 そこまでではないとしても、もがきながら、なんとか日々をやり過ごすような期間は、幾度となく訪れるものだと思います。

 けれど、決して、人生を悲観的にとらえよう、というわけではないんです。

 むしろ逆に、しばしばやってくる悲しみや苦しみを、当然のこととして受け容れ、立ち向かうことによって、よりよく生きてゆけるのでは、と思うんです。

 つらい目に遭ってしまったらもうおしまい、というのだと、人生は行き止まりだらけです。

 そうではなく、壁にぶつかるのは当然のこととして、その都度、その課題にどうにか対処して、乗り越えるなり、遠回りするなり、ごまかすなりして、先に進んでゆけばいいんです。

 ヨシタタケシンスケさんが、絵本のなかで、

「あつかったら ぬげばいい」

「ヘトヘトにつかれたら はもみがかずそのままねればいい」

「よのなかが みにくくおもえてきちゃったら ひかるがめんをみなきゃいい」

「じぶんのいばしょがなかったら のはらにしきものをしけばいい」

なんて書いています。

 こんなふうに、工夫して、ときにズルしたりもして、ひとつひとつ対処すればいいと思うんです。

 これから、ぼくらよりずっと長い日々を生きてゆく子どもたちには、こんなふうに「なんとかする力」を身につけてほしいと願います。

 過酷な競争社会を勝ち抜いてゆく力も必要なのかもしれませんが、それ以上に、負けた時にも立ち上がれる力が、生きてゆくためには必要です。

 逆境をやり過ごすには、「なんとかなるわさ」と思える気持ち、それから「なんとかなった」という経験の積み重ねが大事だと思います。

 そのためには、「なんとかなるわさ」と思いながら、日々とめどなく押し寄せてくるあれやこれやに、あわあわしながらも、なんとかしてゆく、オトナの背中を、お手本としてしっかり見せてあげることも、すごく大切だと思います。

 とはいえ、がんばりすぎることはないんですよ。

 丸投げはお勧めしないけれど、やれるところまでやって、それでも無理なところは「タスケテ~」と言えばいいと思います。

 しんどいことはいっぱいある。そりゃそうだわさ。

 でもなんとかかんとか、頼り頼られでやっていこう、というくらいのスタンスで、師走を乗り切りましょう。

 そして、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。