☆店主カワムラの子育てコラム☆
毎月発行しているメールマガジに連載している、
店主カワムラにによる子育てコラムのバックナンバーを紹介します。
子育ての中で、父として感じたこと、
学んだことを織り交ぜて書き綴っています。
上から目線でアドバイスと言うよりむしろ、
わが子と向き合いながら、迷ったりうろたえたりしてることを
正直に書いているつもりです。
共感したり、参考にしていただければ、さいわいです。
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2025年7月
b-Cafe店主カワムラです。
先日の休業日、借りていた本を返却しに、図書館に行ってきました。いつもは別の用事のついでに立ち寄って、返却して、予約していた本を借りて、さっさと帰ります。
けれど先日は時間があったので、気になっていた本を検索して借りて、館内の椅子に腰を下ろして、しばらくページを繰りました。
ほんの1時間足らずだったのですが、ずうっとくるくる動きっぱなしの日々の中では、とても贅沢で豊かな時間が過ごせた気がしました。
図書館は大好きな場所です。時間がたっぷりあったら、図書館に住みたいと思うくらい。
b-Cafeの「b」は、実は「baby」に加えて、「books」の「b」だったりします。
本というのは、いにしえの人たちが、今を生きる人たちに宛てた手紙のようなものだと思います。筆者がそれを読む誰かのために言葉を綴ったのが本です。
本を読むことを知っていれば、人は孤独に捉われることはないとすら思います。
そして、世界は言葉でできています。
ぼくらは自分を取り囲む世界を、言葉を用いて描きます。
「白」と「黒」しか知らなければ、世界はモノクロですが、たくさんの色を知っていれば、それだけ豊かな世界を生きることができます。
思考するのにも言葉を使うし、何かを伝えるためにも、表現するためにも言葉が必要です。
だから、子どもたちには、本と言葉に触れる機会をたくさん与えてあげたいと思っています。
その出会いをプロデュースするのは、子どもを取り巻く大人たちの、だいじな仕事のひとつだと思います。
赤ちゃんへの言葉がけや、絵本を通じたふれ合いが、本と言葉の世界への入り口になります。
ご参考までに、ぼくが保育士の仕事や自分の子育てを通じて探ってきた、いくつかのポイントについてお話ししたいと思います。
赤ちゃんが、はじめに接する絵本は、言葉との出会いの場です。
ちょっと注意したいのは、最初の頃の絵本は、物語りをたどるものではなく、それ以前の、やがて物語りをかたちづくってゆく、「言葉というもの」との出会いを味わうものだということです。
赤ちゃんは、ひとつひとつの音から単語ができて、その組み合わせで言葉ができている、ということを、ゼロから学んでゆく段階です。文章全体からざっくりと意味を掴むことができると大人に比べて、処理の負荷がずっと大きいと思うんです。
なので、赤ちゃんを置いていかないよう、ゆっくりとゆっくりと、読んであげてください。同じフレーズを繰り返してあげるのも有効だと思います。
赤ちゃんは、絵本を読んでもらっている中で、何やら絵が描いてあるなあ、ママやパパが発する声はなんだかこの絵と呼応してるみたい、ということに気づいてゆきます、そして、
あ、これって、わたしが知ってるにゃーにゃ?
ぽんちんぱん。
ぱんもしってる、ぱんふわふわ。
わんわん、もこもこ、がたんごとんって、リズムが楽しいな。
・・・というように、言葉というものが、この世界にあるものごとを表していること、言葉は楽しいということ、美しいということを、ゆっくり感じ取ってゆくのだと思います。
だから、赤ちゃんに読んであげるときは、ただテキストをすらすらたどって、どんどんページをめくるのでなく、ゆっくり、くりかえし、言葉の音を伝えてあげて欲しいんです。
描かれている絵もまた「言葉」です。文字だけではなく、絵も、ママやパパの言葉で読んであげましょう。
スパゲティのでんしゃだねえ、とか、うわーいっぱいきたねえ、とか。
赤ちゃんを膝に座らせて、同じ方向の目線で、絵を指さしたり、ゆらんゆらん、という言葉に合わせてゆらゆらしたり、いないいないばあ、をまねっこしてみたり、おてて、いっしょやなあ、と赤ちゃんの手に触れてあげたり。
一方的に読み聞かせるのではなく、絵本を媒介としてコミュニケーションを取るような気持ちでいいと思います。
そうやって、絵本をツールとして、親子で言葉を深く味わい、体感するのが「えほんのじかん」です。
最初の頃の絵本は、言葉というものと出会い、それを味わうためのものなので、ごくかんたんなものでいいと思います。「おはなし」でなくてもいいんです。
優れた赤ちゃん絵本は、声に出して読み聞かせることを前提にして、選び尽くされたうつくしい言葉の響きとリズムで作られています。それを読み解いて「演奏」するような気持ちで読んであげてください。
また、必ずしもあれこれたくさんの絵本に囲まれていなくてもいいと思います。むしろ、お気に入りの絵本を作ってあげてほしい。
子どもって、同じ絵本を何度も何度も読んで、と言って来るものです。それは、楽しかった、という思いをもう一度味わいたい、という気持ちに加えて、知っている通り におはなしが展開することに、安心感を覚える、ということもあるように思います。
生まれてきた赤ちゃんにとって、世界は知らないことだらけです。何がどうなっているのかわからない。
そんな中で、絵本と出会い、ママやパパに読んでもらっているうちに、ああ、この次は、ロボットのところにボールが飛んで来るんだなあ、って予想ができるようになる。そして、ページをめくると、やっぱりボールが飛んできて、ロボットたちが、がらがらがっしゃーん、ってなる。
おしゃべりができるようになった子は、ママやパパが読むより先に「かにつんつん!」なんて、覚えたテキストを言うようになるでしょう。
思った通り。これ知ってるもん、って、知らないことだらけの世界の中で、少しだけでも見通しが持てる、という喜びは、とても大きなもので、それをくりかえし味わうために、絵本のおかわりをねだるのだと思います。そしてそれはさらに世界を探求してゆくための勇気にもつながります。
こんなふうに「えほんのじかん」って、とても奥の深いものだし、有用なものだと思うんです。
おじさんの説教くさいとは思うけれど、スマホやタブレットで魅力的な動画が見放題な昨今、そこから新しい言葉を覚える子も多いと思うのですが、ゆったりとした親子の時間の中で身につけた、経験や実感にもとづいた深みのある言葉の積み重ねも、とても大切だと思うんです。
自分の言葉は、この世を生き抜いてゆくための武器でもあります。
たくさんの絵本は要らない、と言いましたが、お気に入りの絵本に出会うためには、やはりいろんな本に触れてみるのがいいと思います。そこで図書館の出番です。
絵本なんてもう見放題。親子でゆったりと過ごすためのお部屋やソファもあります。
おじさんは最近になって知ったのですがWebサービスで予約しておけば、司書さんが取り揃えてくれたり、市内の他館から取り寄せてくれたりもするんです。
そしてなんとゼロコイン!
クーラー効いているし、もうサイコー。Go図書館です。